卵殻膜とコラーゲン3型の関係とは?特徴や栄養成分を紹介
卵殻膜は、もう今や、なじみの深い言葉となってきましたね。
だけど、イマイチどんな成分でどんなメリットがあるの?ってよく分からないかもしれません。
そこで、卵殻膜についての基本情報と、よくいわれる3型コラーゲンとの関係などお伝えしてきます。
卵殻膜(らんかくまく)とは?
卵殻膜とは、ゆで卵をむく時の厄介なアノ薄ーい皮です。
卵の殻と白身の間にあるたった0.07mmの薄い膜の事なんです。
すぐポイしてましたが、スゴイ栄養があったんですね。
卵殻膜といっても、美容業界で使われているのは、ニワトリの卵の卵殻膜。
ニワトリの卵は、産み落とされてから親鳥に温められて成長します。
ヒヨコは、気温の変化の影響を受けたりと厳しい環境の中で、その卵の中で発育して成長し、殻を破って産まれてくるんです。
人間の場合、胎盤(プラセンタ)があって、必要な栄養がへその緒を通じて赤ちゃんへ運ばれます。
一方で、ニワトリの卵は、卵の内側にあるわずか0.07mmという薄い卵殻膜が、外部の微生物、ウイルス、紫外線からヒヨコを守り、細胞を増殖、分化させ、生命の維持の役割を果たしている事が分かってきています。
卵殻膜って、まるで胎盤(プラセンタ)のような働きをしているんです。
卵殻膜は、古くは、中国の明の時代、16世紀の薬学書「本草綱目」に傷口に貼ると良いと載っているほど歴史があるんですね。
卵殻膜の成分
では、卵殻膜は、卵が産まれてからヒヨコがかえるまでの間、卵の中で重要な働きをするという事が分かりましたが、どのような成分が含まれているのでしょうか?
卵殻膜の主成分は、線維状のタンパク質で約20種類のアミノ酸からできています。
人間の肌に非常に近いアミノ酸組成(組み合わせ)なのが特徴です。
必須アミノ酸9種全て含まれています。非必須アミノ酸も9種類含まれているんです。
コラーゲンやヒアルロン酸、シアル酸(ツバメの巣やローヤルゼリーにも含まれる細胞間の情報伝達をする)、プロテオグリカン、デスモシン、イソデスモシンといった成分も含まれています。
シスチンが多く含まれている
また、卵殻膜は、非必須アミノ酸の「シスチン」が、他の食べ物(たらこ、きな粉など)に比べて、多く含まれている事が分かってきています。
卵殻膜内におけるシスチンの割合も、15-18%で、他のアミノ酸に比べて突出して多く含まれています。
シスチンは、美肌や美髪に欠かせないといわれている成分で、体内で「L-システイン」に変化します。
「L-システイン」って聞いたことあるんじゃないかなと思います。
ドラッグストアで売っている、ビタミンCの錠剤に含まれているアミノ酸成分です。
お肌にツヤを与えるほかに、シミやそばかすのもととなるメラニン生成をコントロールしたり、お肌の新陳代謝(ターンオーバー)を活性化して、メラニンの排出を促す働きをします。
卵殻膜の特徴
卵殻膜は粉末状と水溶性(液体)と2つの形状に加工する技術によって、サプリ、美容液、ドリンクなどが作られています。
水溶性に加工された卵殻膜は、2つの特徴があります。
- 真皮内のコラーゲン線維芽細胞に元気を与える
- コラーゲン3型を増やす
ということです。私たちのお肌の若々しさ、ハリって、コラーゲンが重要な働きをするって、皆さんご存知だと思います。
その他にも、お肌のツヤは、ヒアルロン酸がとても大切な働きをしますよね。
こういった成分は、お肌の奥にある真皮内の線維芽細胞が生産工場となって作り出しているんです。
つまり、真皮内には、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンといった成分とこれらを産み出す線維芽細胞があるわけなんです。
ですが、歳を重ねるとともに、残念ながら、こういった美肌成分の量は減少してきます。というのも、線維芽細胞の働き低下して数も減少するからです。
美容液や美容ドリンクなど水溶性に加工された卵殻膜には、線維芽細胞に働きかけるという事が分かってきています。その結果、真皮内の70%を占めるコラーゲン、ハリを支えるエラスチンやヒアルロン酸にも働きかけ、よりイキイキとした若々しいお肌へと導いてくれるというわけなんです。
コラーゲン3型を増やす
コラーゲンって何種類ある?
コラーゲンは、現在分かっている時点で、28種類あります。それぞれⅠ、Ⅱ、Ⅲ型・・・と分類されています。その中で、皮膚に存在するコラーゲンは9種類あります。よく知られているのがⅠ型コラーゲン。皮膚のハリや強度にかかわるコラーゲンです。化粧品やサプリで含まれているコラーゲンは、このⅠ型コラーゲンである場合が多いです。
- Ⅰ型コラーゲンは、体内で最も多く、肌や骨に存在して、弾力を与える
- Ⅱ型コラーゲンは、軟骨を形成するコラーゲンで目の角膜や硝子体にも含まれる
- Ⅲ型コラーゲンは、血管や子宮といった臓器に柔軟性を与える
- Ⅳ型コラーゲンは、肌の細胞を作り出す基底膜(表皮と真皮の間)の大部分を占める
- Ⅴ型コラーゲンは、血管や胎盤に含まれている(Ⅰ・Ⅲ型の含まれている組織に)
卵殻膜は、線維芽細胞に元気を与えて、Ⅲ型コラーゲンを増やすことが分かっています。
Ⅲ型コラーゲンは、女性にとって摂りたいコラーゲンであり、Ⅰ・Ⅴ型とともに真皮内に存在します。
Ⅰ型コラーゲンが、お肌の弾力やハリに関係している一方で、Ⅲ型コラーゲンは、お肌のやわらかさに関係しています
Ⅲ型コラーゲンは、赤ちゃんのお肌に多く含まれ、加齢とともに次第に減少してきます。
最近では、Ⅲ型コラーゲンの研究が進み、お肌の再生能力が注目されています。
資生堂の研究(2018年4月12日リリース)によると、30代からのお肌のハリ低下に、Ⅲ型コラーゲンの減少が関わっていることが分かりました。
そして、野菜のクレソンにⅢ型コラーゲンを促進する効果があるという事を発見しています。
美容皮膚科でもベビーコラーゲンといって、Ⅰ型とⅢ型コラーゲンを1:1にした注射をしているほどです。(ただし、ヒト由来コラーゲンですが。)
ですから、卵殻膜は、
- 真皮内の線維芽細胞に働きかける
- Ⅲ型コラーゲンを増やす
- ハリのある若々しいお肌へと導く
といった働きをするんです。
卵殻膜のよくある疑問
残念ながら、そのまま食べても吸収分解されにくいんです。むしろ消化不良を起こしてしまいます。
卵殻膜を加工する技術のおかげで、コラーゲンに対して期待することができます。
卵殻膜研究は、東京大学も関わっている
卵殻膜に関しての研究は、東京大学とアルマードという会社が2007年から産学連携の共同研究を行っています。
そして、その研究成果が「Cell&TissueResearch」というアメリカの学術専門誌に掲載されて、世界レベルで認められました。いわば、Ⅲ型コラーゲンを増やす日本初の新素材が卵殻膜であるわけです。
日本の研究開発って素晴らしいですね。見落としがちなところに着目しています。これからの将来、ますます美魔女が増えていくんじゃないかなと期待しています。